民事執行まとめ
2019.11.12
民事執行の種類
強制執行手続の流れ
強制執行実施のための必要書類・手続
① 債務名義の正本(§22)
Q 債務名義にはどのような種類があるか?
❶
確定判決(§22①)
❷ 仮執行の宣言を付した判決(同②)
❸ 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければ効力を生じない裁判にあっては,確定したものに限る。)(同③)
❹ 仮執行の宣言を付した損害賠償命令(同③の2)
❺ 仮執行の宣言を付した支払督促(同④)
❻ 訴訟費用若しくは和解の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分又は§42Ⅳに規定する執行費用及び返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあっては,確定したものに限る。)(同④の2)
❼ 執行証書(同⑤)
❽ 確定した執行判決のある外国裁判所の判決(同⑥)
❾ 確定した執行決定のある仲裁判断(同⑥の2)
❿ 確定判決と同一の効力を有するもの(同③に掲げる裁判を除く。)(同⑦)
例)裁判上の和解における和解調書(民訴§267)
② 執行文(§25)
Q 執行文にはどのような種類があるか?
❶ 単純執行文(§26Ⅰ)
給付命令等の内容が単純に給付を命じるだけで,債権者が証明すべき条件や期限がつかず,当事者の変動もない場合に,債権者の申立てによって付与される最も基本的な執行文
❷ 条件成就執行文(§27Ⅰ)
債務名義の内容が債権者の証明すべき事実の到来にかかっており,債権者が事実の到来を文書で証明したときに限り付与される執行文
❸ 承継執行文(§27Ⅱ)
債務名義に表示されていない者を当事者として強制執行する場合に,あらかじめ執行文付与機関に§23の要件充足を証明し,同機関から付与を受けるべき執行文
※ 意思表示擬制の執行文(§174Ⅰ但)
※ 執行文が不要となる場合あり
一定の場合を除き,次のものについては,執行文の不要を受けないで裁判の内容を実現できる。 ❶ 仮執行宣言付支払督促(§25但)
❷ 少額訴訟における確定判決(同条)
❸ 仮執行宣言付少額訴訟判決(同条)
❹ 執行力ある債務名義の正本と同一の効力を有するもの
❺ 意思表示をすべきことを命ずる債務名義(§174Ⅰ本)
❻ 保全命令(民保§43Ⅰ)
※ ❷❸に対する異議後の訴訟の確定判決も同様。
③ 送達証明書(§29)
執行開始要件
① 債務名義の正本,執行文,送達証明書の送達(§29)
② 執行機関の認定
(③ 〔引き換え給付の場合〕反対給付の履行・提供(§31Ⅰ))
執行障害事由
債務者について,破産手続,民事再生手続等の法的整理手続が開始された場合には,強制執行を開始し,又は続行することができない(破産§100Ⅰ・42Ⅱ,民再§39,会更50Ⅰ等)。
強制執行における救済