変更点
旧法 | 新法 |
規定なし |
【466条の6】(将来債権の譲渡) 2項:債権が譲渡された場合において,その意思表示の時に債権が現に発生していないときは,譲受人は,発生した債権を当然に取得する。 3項:前項に規定する場合において,譲渡人が次条の規定による通知をし,又は債務者が同条の規定による承諾をした時(以下「対抗要件具備時」という。)までに譲渡制限の意思表示がされたときは,譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして,第四百六十六条第三項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては,前条第一項)の規定を適用する。 |
【467条】(指名債権の譲渡の対抗要件) 2項:前項の通知又は承諾は,確定日付のある証書によってしなければ,債務者以外の第三者に対抗することができない。 |
【467条】(債権の譲渡の対抗要件) 2項:前項の通知又は承諾は,確定日付のある証書によってしなければ,債務者以外の第三者に対抗することができない。 |
新法では,将来債権の譲渡が可能であることを明らかにする旨の規定を新設し(新法§466の6),併せて,最判平成13年11月22日を踏まえ,将来債権の譲渡について,既発生の債権の譲渡と同様の方法(旧法§467)によって対抗要件を具備することができる旨を明文化しています(新法§467)。
その上で,譲受人が債務者対抗要件を具備する時までに譲渡制限特約が付された場合には,譲受人等がそのことを知っていたものとみなし,譲渡制限特約の存在を譲受人が知らなかったとしても,債務者は,常に譲渡制限特約の存在を前提に譲受人等に対して履行を拒絶することなどを可能にする規定を新設しています(新法§466の6Ⅲ・§466Ⅲ,§466の5Ⅰ)。
これは,譲渡制限特約に関する債務者の利益保護と,譲受人の債権譲渡に関する利益保護のバランスをとる趣旨の規定です。
譲受人による債務者対抗要件具備の先後で債務者の譲受人等に対する履行拒絶等の可否を決しているのは,譲受人が債務者対抗要件を具備したら,譲渡人は債権の処分権を実質的に失うことになり,譲渡人は債務者と譲渡制限特約を締結することができないからです。
また,債務者が,将来債権について,譲受人による債務者対抗要件具備までに,譲渡制限特約を締結することができなかったとしても,債務者は,当該債権を発生させる取引をしないなどの措置をとることが可能なので,譲渡制限特約の対抗を認める必要はなく,債務者に不都合もありません。
確認問題
特になし。