【2020年民法改正】弁済③―代物弁済【勉強ノート】

改正のポイント

 新法では,代物弁済の合意の性質を諾成契約とし,代物弁済による債務消滅の効力発生時期を代物の給付時としました。

旧法 新法
【482条】(代物弁済)
債務者が,債権者の承諾を得て,その負担した給付に代えて他の給付をしたときは,その給付は,弁済と同一の効力を有する。
【482条】(代物弁済)
弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が,債権者との間で,債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において,その弁済者が当該他の給付をしたときは,その給付は,弁済と同一の効力を有する。

 旧法§482の規定ぶりからは,代物弁済の合意の性質は要物契約であるように読めます。

 しかし,判例(最判昭和57年6月4日,最判昭和60年12月20日)は,代物の給付をしていなくても,代物弁済の合意さえあれば,代物弁済による所有権移転の効力が生ずると解していました。

 そこで,新法§482では,これらの判例を踏まえ,弁済者「が,債権者との間で,債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において」と規定することにより,代物弁済の合意の性質が諾成契約であることを明確にしました。

 その上で,代物弁済による債務消滅の効力の発生時期を「その弁済者が当該他の給付をしたとき」としました。

契約成立時期 代物弁済の合意時
債務消滅時期 代物の給付時

確認問題〔弁済③―代物弁済〕

新法に基づいて回答してください!(全1問)

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