AIの定義
AIとは,「Artificial Intelligence」の略で,「人工知能」と和訳されます。
2020年4月8日現在,AIの定義に関する統一的見解はなく,百家争鳴の状況にありますが,強いていうならば,人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム,あるいは人間が知的と感じる情報処理・技術といった広い概念で理解されています(総務省「令和元年版情報通信白書」)。
AIの性能による分類
我々一般人がAIというとき,通常,ディープラーニングをはじめとする機械学習を取り入れたAIをイメージするのではないかと思いますが,下表のレベル1やレベル2のように単純な機能を備えているに過ぎないものもAIです(レベル1をAIと呼んでよいかについては諸説あります)。
分類 | 具体例 | |
レベル1 | 単純な制御プログラムを有しているに過ぎないもの | 制御工学やシステム工学の技術を取り入れた家電製品 |
レベル2 | 古典的な人工知能 | お掃除ロボット,ELIZA,MYCIN,EMYCIN |
レベル3 | (ディープラーニング以外の)機械学習を取り入れたもの | 検索エンジン,ビッグデータ分析,ワトソン,アキネーター |
レベル4 | ディープラーニングを取り入れたもの | 自動運転車,Alpha Go,Siri |
レベル5 | 人間の知能の原理を解明し,それを工学的に実現するもの | ドラえもん,スカイネット(ターミネーター) ※2020年現在,レベル5はまだ開発されていない。 |
AIは,このように性能の高さの観点から分類することもできますし,以下のとおり,用途の広狭の観点から分類することもできます。
「強いAI」と「弱いAI」
用途の広狭の観点から分類した場合,いわゆる「強いAI」と「弱いAI」とに分類されます。
「強いAI」とは,適切にプログラムされた「意識」を持ち,総合的な判断ができる汎用的なAIのことです。
「強いAI」は,2020年現在,まだ開発されていませんが,イメージをもってもらうために具体例を挙げるならば,ドラえもんやターミネーターのスカイネット等が該当します。
一方,「弱いAI」とは,人間の知能の一部に特化した機能を実現するAIのことです。
具体例を挙げると,Alpha GoやSiri等は,「弱いAI」に当たります。
● 参考文献
・松尾豊「人工知能は人間を超えるか」(KADOKAWA・2015年)
Please follow and like us:
コメント